Webキャンペーンのしかけ方。 広告のプロたちがつくる“つぎのネット
従来のWebコンテンツ制作では、「どのように情報を見せるか」というレベルまでしか考えられていなかった。
つまり、「どのようなコミュニケーションをつくり上げるのか」という視点が欠如していたのである。
コンテンツ内にどのような情報を配置するのかについては考えても、配置された情報自体がどう編集されるかについては、意識されていなかったのだ。
90年代末から現在に至るまで、Webコンテンツ制作の「情報デザイン」や「ユーザビリティ」という側面について、多くの議論がなされてきた。「情報デザイン」という言葉だけを聞くと、ユーザーに対してのコミュニケーションデザインがずいぶん検討されてきたかのように感じられるが、結局のところ語られてきたのは、カタログアーカイブから情報をわかりやすく取り出すことができる構造をいかにつくるか、ということだった。
つまり、置かれている情報にたどり着くまでのアプローチの話に終止していて、Webコンテンツの制作によって「どんな目的を達成したいのか」「閲覧するユーザとのあいだに、どのような関係性を築き上げたいのか」というもっとも大切であるはずの視点が欠如していたのだ。
- Chapter 3-1 「Webがになうべきコミュニケーション機能の変化」
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